2009年7月24日金曜日

循環する森

アートリエの森もついに終わりました。長いような短いような気がします
が個展をしてこれほど充実した事もなかったように思えます。
なぜか今回は個人という感じがそれほどしませんでした。
それは、この展覧会に関わってくれた方々が森を通じてそれぞれの表現をしていったように
感じるからです。そしてそれらが森の栄養となっていきました。
そもそも森とは混沌とした説明のつかない場所だと思うので
いろんな考え方が混じり合うのはとても森らしいのですね。
街の中にも田舎にも無駄な物は排除されがちですが
(それは合理的なのかもしれないけれど)
そもそも人間自身が割り切れない存在であるように
その辺りをひきうけてくれる森的なものは常に必要なのだと思います。
これからも作品をつくったりワークショップをすることで
森を少しずつ増やしていければいいなと思います。

最後に
前回「音楽の話をします」といって終わっていたので
森を製作中に思いだした音楽があったのでご紹介します。
ひとつはブライアンイーノの「フォースワールド/ポシブルミュージック」
熱帯雨林やアフリカのジャングルを連想させると同時に生命の起源という言葉が
思い起こされるような音楽です。録音は1980年。
イーノはウインドウズ95の起動音をつくっていたんですね。。。。
もうひとつは
デビットバーンとブライアンイーノの共作で「マイライフ イン ザ ブッシュオブゴースト」
これはもう混沌という言葉がぴったりの作品だと思います。1981年。
同名の「ブッシュオブゴースト」という小説はナイジェリアのエイモス チュツォーラの小説で
他にも「やし酒のみ」という作品がありますが、かなりへんてこな変わった小説で読むのも
大変ですがまさに混沌、異次元世界感なのです。。。。


それではまたどこかで。。。
オーギカナエ























2009年7月13日月曜日

森にとけ、森がとける


昨日の7月12日、ダンスパフォーマンス「森にとける」を行いました。

徳永恭子さんがおどり、ウシンスカ・ヤポンスキさん(=牛嶋均さん)が音を奏でながらの30分間、<森>に異様な気息がみなぎっていました。

暑いなか参加してくださったみなさま、ありがとうございました。


すこし離れたところから見ていた私は、演者/観者、主体/客体が分かちがたく絡まるこの場のうごめきこそが森なのだと、幸せな実感に浸っていました。森にとけ、森がとける瞬間に立ち会えたことのよろこびを、あの場にいたみんなと少しでも共有できていればうれしいな、と思うのです。

つぎのイベントは、クロージング7月20日のトーク&パーティです(16時30分から)。何をお話ししようかとオーギさんともども頭を抱えておりますが、<森>のなかで気軽におしゃべりできれば、と思います。どうぞふらりと立ち寄りください。

2009年7月7日火曜日

森にとける@12日

博多はまもなく山笠。ということは、いよいよ梅雨明けですね。

暑さにとけそうな戸外を避けて、リバレイン地下ではダンスパフォーマンス「森にとける」を開催します。

踊るのは徳永恭子さん。今回の展示を気に入って、徳永さんから「ここで踊りたい!」とリクエストしていただきました。

そして、演奏者はウシンスカ・ヤホンスキー。口琴(コウキン)という一風変わった楽器を奏でます。今回のパフォーマンスのために初来日(のつもり)。「あれ、牛●さんでしょ?」と思ったとしても、他人の空似(のつもり)。

参加無料。投げ銭歓迎。(笑) できたてホヤホヤのオーギカナエさん特製ふせん紙(予価500円)も販売いたしますので、ぜひ。


★★
ダンスパフォーマンス「森にとける」
7月12日(日) 午後2時から(30分程度)
参加無料
出演:徳永恭子(ダンス)、ウシンスカ・ヤホンスキ―(演奏)

★★

2009年6月22日月曜日

「てぬぐぃすと」誕生


20日(土)、ワークショップ「topping of TENUGUI」を行いました。
総計20名ほどの参加者が森のなかでひしめき、オーギさんといっしょにわいのわいのと愉しくてぬぐいづくりに熱中しました。


ドットやストライプを組み合わせる人、花や星をきれいに描く人、アクションペインティング顔負けの大胆さで筆を走らせる人。思い思いのてぬぐいが出来上がり、みんななかよく「てぬぐぃすと」。頭や首に巻けば、思いがけず映える柄もあって、一堂「おお〜!」なんて声が上がったり。


そのままアートリエを抜けだして、リバレイン5階のアトリウムまで大行列。周囲から浴びせられる好奇の眼もなんのその(笑)、最後は記念写真を撮ってチーム「てぬぐぃすと」の結束を強めました!

参加していただいたみなさん、どうもありがとうございました。


★★
次のイベントは7月12日(日)、午後2時からダンスパフォーマンスを行います。

ダンサー 徳永恭子さんと口琴奏者 ウシンスキーさんをお迎えしてのパフォーマンス「森にとける」。

事前予約不要、参加費無料ですので、とろけるような不思議な時間と空間をどうぞご堪能ください。

2009年6月4日木曜日

イベントのお知らせ

会期中のイベントのお知らせを3つ。


6月20日(土)14:00~15:30
ワークショップ topping of TENUGUI

いま、ちまたでは「てぬぐぃすと(手ぬぐい愛用者)」が急増中。
でも、みんなおんなじ手ぬぐいじゃ、つまんないですよね。
オーギカナエさんといっしょにチャーミングなオリジナル手ぬぐいをつくります。

*材料費:700円(無地白手ぬぐい1枚+絵具などの材料費)

*事前申込が必要です。ギャラリーアートリエ(tel.092-281-0081またはe-mail.plaza-a@ffac.or.jp)までお名前・参加人数・連絡先をお知らせください。定員15名

*定員に達しましたので、申込みを終了させていただきました。ありがとうございました。


★★
7月12日(日)14:00~
ダンスパフォーマンス

急きょ開催が決定しました!
徳永恭子さんの「森」のダンスパフォーマンス。
そして、「森」の音を牛嶋均さんが口琴(こうきん)で奏でます。
これを見逃す手はありません。

*出演者:徳永恭子、牛嶋均

*そのほか詳細は追ってお知らせします。


★★★
7月20日(月・祝)16:30~
クロージング・トーク&パーティ

自分たちの住む街のなかに、どんな「森」があったらステキだろう。
ビルの地下にできた「森」のなかで、オーギカナエさんがカジュアルにおしゃべりします。
トークのあとは、かんたんなパーティを予定しています。

*話し手:オーギカナエ(アーティスト)+竹口浩司(福岡県立美術館学芸員)
*参加費無料/事前申込はいりません

2009年5月28日木曜日

森をめぐる二つの小説

こんにちはオーギです。展覧会もはや10日以上が過ぎました。

今回は森を制作している時に思い出した小説のことを書きたいと思います。作品初期段階でのイメージでは人工物だらけのBFに緑や水と光、気持ちのいい空気と空間が欲しいとおもっていました。それはそうなのですが、タケグチ氏と話を進め、模型などで展覧会イメージをつくっていくうちに、ただ健康的な「森林浴とかハイキング」のようなライトなイメージだけではない、人間社会の常識などとは無縁の暴力的なまでの生命の力を内包した森というイメージが沸々とわいて来たのでした。それで私が思い出したのは、数年前に読んだ小説「トムゴードンに恋した少女」<スティーブンキング著>なのです。ストーリーはハイキングをしていた女の子がちょっとおトイレに行きたくなってみんなとほんの少し(本当にほんの少し!)道のずれたところに行ってしまったことにより、広大な深い森のなかで迷ってしまうというコワーイお話なのです。森に迷い込んだ少女につきまとう大きな黒い影、視線。物語はただの恐怖話にはとどまりません。

そういえば昔、トルコのカッパドキアという奇岩群のある村を訪れた事があります。まるで巨大な岩石の森でした。キリスト教徒が修行の場としてその柔らかい岩石を手彫りで部屋のようにくりぬき住んでいたため今も数多くの宗教画が特別保存される訳でもなく風化してその乾いた土地に点々と見受けられます。少し高台に登ってみると奇岩の森に道のようなものがすうっと伸びるように向こうの方まで見えたので夕暮れの散歩をしようかという気になりました。てくてくあるいてその道をしばらく行くと何となくあると思われた道は途中で消滅しているのです。進行方向には奇岩の森、後ろを振り向いてもよく似た奇岩の森。そして左右も。一瞬パニックになりました。幸いたいした距離を歩いていなかったので戻る事が出来たのですが。人はこんな風にしてさりげなく迷ってしまうのかもしれませんね。

さて、時を同じくしてこの展覧会に関わった方が2人、もうひとつの小説を読んでいました。それはタケグチ氏が展覧会ご挨拶文でも引用している「沼地のある森を抜けて」<梨木香歩著>です。

とても素敵な不思議なような美しい物語です。読んでみてびっくり。面白いほどに展覧会のコンセプトのあれやこれやと符号点があります。私が南方熊楠についての本をよみつつ粘菌の絵を描いていた時にお二人がそのような世界を描いた小説を読んでいるなんて不思議です。

この二つの小説で私が気に入っている共通点があります。

それは、壮大な考え、宇宙的とも言える神様が居るようなそんな物語を取り上げながらも必ずそれは私たちの足元、生活の場に帰着しているところです。私もそんな風に作品がつくれたらなとよく思います。

長くなりましたが、次回は音楽についてかいてみたいなとおもっています。音楽って小説よりもより時代性が出るような気がしますが。ではまた。

 

2009年5月19日火曜日

ようこそ〜/不思議生物の名前は?

オーギカナエです。

展覧会も3日が過ぎました。来ていただいた方々本当にありがとうございます。そしてまだ見ていない方々ちょこっと森にあそびにきてくださいね。

展覧会への運びについては本展キュレーターの竹口さんから見事ないきさつが説明されていますので省くとしても、今回の個展は「個展」であって「個展」でないようなプロジェクトチームの力の結集のような物がありまして、特にキュレーターとのコミュニケーションの取り方は面白く自分一人だったらもうちょっと違う方向へ行っていたかもと思います。<森の中で遭難してしまうとか。或いは森の中に入れないとか。。?>(笑)

ある時はカレーを食べながら、またある時はくるめラーメンをすすりながら作家のとりとめのない話や思いを丁寧に聞き、まとめちょっとした言葉も逃さず展覧会づくりに生かそうとするないそんな竹口さんなのでした。

もともと海の側で生まれた私は山より海が好きで物のカタチがわからなくなるくらいの明るい光でホワイトアウトするようなカラッとしたそんな世界が好きです。でも今回は影が共存するような木漏れ日の世界。暗く鬱蒼とした熱帯雨林や深い森にはなにかが潜んでいてそこにはむき出しのなまなましい獰猛な野生がいる。そんな森を考えてみたくなったのです。何か私たちの中に流れている原生林的な物(それは確かにあるはず)が共鳴するように作品をつくりたかった。どこまで深く森の中に潜れたかわかりませんが、まだまだこのテーマでつくる物はあるような気がします。

会場のなかにいる白い不思議な生物達。見る人たちによっていろいろと見え方も違うようです。名前もちらほらあるようですが。。。ここで名前を勝手に大募集!(いいですかね?たけぐちさん)何かナイスなネーミング思いついた方は投稿してくださいね!!

さて7月20日まであるこの展覧会。長丁場ですがいろいろ思いついた事はやっていきたいとおもっています。

とりあえずイベントは6月20日のワークショップtopping on tenuguiをします。

かっこいいオリジナル手ぬぐいをつくりませんか?どうぞよろしく。

次回は森を考えるにあたって沸き起こって来た音楽や小説などについてお話ししたいと思います。

ではでは